日記

2022-09-30 19:45:00

旧ソ連製ピアノの“本当にあった怖いお話し”

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私が調律師として仕事を始めた1980年代後半、
西武大津店には楽器店がありました。



その楽器店では、
海外製の木目ピアノを
大きく値引きして販売する手法で、
旧ソ連圏内や東欧諸国製のピアノを多く販売されていました。

ある時、西武大津店でピアノを購入されたお客様より
修理・調律のご依頼をいただいて☎をしたところ、
『ピアノの中から、誰も弾いていないのにバーン バーン
と時々、スゴイ大きな音が鳴るのです。
診てもらえないでしょうか?』
という内容でした。

後日お伺いしてみてピアノ内部を確認したところ、
機械オイルの異臭がして、ピアノの低音弦が10本以上断線していました。
強いタッチで弾いて断線する経験は持ち合わせていましたが、
弾いていないピアノの弦が勝手に切れてしまうという経験は、
雨漏りの被害を受けたピアノを除いて、後にも先にもありません。

調律カードを確認したところ、
旧ソ連製のピアノでした。総合的に判断するとありえるかも?ですね。

みなさんは、ピアノを弾いている時に断線した経験はありますか?
高音域の確率が高いと想像しますが、
本当に驚くほどの音量で、破裂音が鳴ります。心臓に悪いです。
私も滋賀県ピアノコンクール本選本番立会中で
演奏中に切れたのを舞台袖で体験しましたが、
コンクールという緊迫した空気感の中、
演奏者も演奏をストップして、会場はざわめき立ちました。
演奏者は機転を効かせて、続きを演奏しはじめて最後まで弾ききりました。
素晴らしい対応だとおもいました。

ピアニストの菊池亮太さんのTwitterで
弦が切れた時に咄嗟に転調する動画を掲載されていますが、
“本当に怖いものなしですね”♫ 😏
https://t.co/k6icyePRei