日記
旧ソ連製ピアノの“本当にあった怖いお話し”
私が調律師として仕事を始めた1980年代後半、
西武大津店には楽器店がありました。
その楽器店では、
海外製の木目ピアノを
大きく値引きして販売する手法で、
旧ソ連圏内や東欧諸国製のピアノを多く販売されていました。
ある時、西武大津店でピアノを購入されたお客様より
修理・調律のご依頼をいただいて☎をしたところ、
『ピアノの中から、誰も弾いていないのにバーン バーン
と時々、スゴイ大きな音が鳴るのです。
診てもらえないでしょうか?』
という内容でした。
後日お伺いしてみてピアノ内部を確認したところ、
機械オイルの異臭がして、ピアノの低音弦が10本以上断線していました。
強いタッチで弾いて断線する経験は持ち合わせていましたが、
弾いていないピアノの弦が勝手に切れてしまうという経験は、
雨漏りの被害を受けたピアノを除いて、後にも先にもありません。
調律カードを確認したところ、
旧ソ連製のピアノでした。総合的に判断するとありえるかも?ですね。
みなさんは、ピアノを弾いている時に断線した経験はありますか?
高音域の確率が高いと想像しますが、
本当に驚くほどの音量で、破裂音が鳴ります。心臓に悪いです。
私も滋賀県ピアノコンクール本選本番立会中で
演奏中に切れたのを舞台袖で体験しましたが、
コンクールという緊迫した空気感の中、
演奏者も演奏をストップして、会場はざわめき立ちました。
演奏者は機転を効かせて、続きを演奏しはじめて最後まで弾ききりました。
素晴らしい対応だとおもいました。
ピアニストの菊池亮太さんのTwitterで
弦が切れた時に咄嗟に転調する動画を掲載されていますが、
“本当に怖いものなしですね”♫ 😏
https://t.co/k6icyePRei
抗原検査キットの検査結果
毎朝、起床直後に体温を計るのをルーチンとしています。
昨日は37.5度ありましたので、(平熱が35.5度程度なので微熱でもつらいものがあります)
念の為お客様に予定の変更をお願いしました。
滋賀県では、抗原検査キットを1人1回限定で無料で申し込めます。
しかし、申込み当日に発送されても到着は翌日となります。
ですので、家族に薬局で抗原検査キットの購入を依頼しました。
1件目は在庫切れでしたが、
同系列の近くの店に問い合わせをしていただいたところ、
若干数ありますとのことでしたので、
そちらで手に入れました。
昨夜に1回、先程届いた滋賀県からのキットで2回目の検査をしましたが、
幸い陰性でした。
今朝には平熱にもどりましたので、よかったです。
抗原検査キットは症状が出てから、
ある程度時間が経過しないと
正確な結果が判明しないようですので、
今回のことを教訓に、2セット買い置きをしておこうと思いました。
11月の調律スケジュールについて
10/9㈰京都北山ダイニングカフェ “バリガシ”でのライブ♫
調律のお客様が出演されるライブのご案内をいただきました。
ご自身で🎹演奏もされるそうです。
私もお料理をいただきながら、お客様の🎹演奏を楽しんできたいと思います。👇
ライブの時にお店自慢のディナーコースとしてお食事が出る感じで、それを食べてもらって、のんびり音楽も楽しんでもらって…というコンセプトです😁
エリート意識の刷り込み
私はヤマハピアノテクニカルアカデミーの8期出身です。
当時の講師より
『君達はヤマハの調律カリキュラムの教育を受けた、いうなれば調律師のエリートです。
他の調律学校出身とは全然意味が違います。その自覚を持って下さい。』
などの刷り込みがありました。
しかし、実際世の中に出てみて
そんなエリート意識は何の役にも立たない事を実感しました。
私が調律の仕事を始めた
昭和63年当時は、ヤマハ・KAWAI以外の国産メーカーが生産したピアノが市場に多くありました。
そのピアノを調律しようとしても、
思うようにコントロールができなかった記憶があります。
大きな理由の一つとして、
ヤマハピアノは精巧に設計・製造されていて、とても調律がしやすいのです。
当然ながら、ヤマハピアノテクニカルアカデミーでは、ヤマハピアノしか調律しません。
ヤマハピアノ以外に耐性がないということを、まずは実感しました。
それから、修理の経験が圧倒的に不足しているということです。もちろん、カリキュラムとしてはありましたが、やはり調律と比較すると圧倒的に時間が少なかったですね。
当時の同期入社で、京都の私立調律学校出身者の話しを聞いた記憶では、
状態の酷いピアノがとても多く、
分解して修理をする“オーバーホール”を
数多く経験した様子でした。
自分達が調律の授業で使用するピアノを
自ら大修理をして使用していたようです。
ヤマハ・KAWAIの調律学校と比較すると、一般の私立調律学校は財政的にも生徒用に良い状態のピアノを用意するのが大変だったのでは?と想像します。
ピアノを分解して、オーバーホールを数多く経験すると、修理に強くなり、
ピアノ構造全体と各機構との関係性を深く学ぶ事が出来ます。
まあ、顧客を訪問しての殆どは調律が中心なのでメーカーのカリキュラムとしては、理にかなっているとは思います。
本当は、“強みと弱み”の両方を自覚させる教育をするのが理想だと思います。
明日はお休みをいただきます。